2023年4月アーカイブ
昨今、マウスのクリック音が気にする人が増えたためなんでしょうか、静音スイッチを採用したモデルが昨今続々とラインナップされていますが、私が自宅でも職場でも愛用しているLogicool殿謹製のMX Master 3もいつの間にかマイナーチェンジされ、ご多分に漏れずMX Master 3Sという静音化された機種が現行機種である模様。
確かにクリック音、気になり始めると気になったりするものではありますし、やっぱ新機種、気になるよねぇ・・・と、うっかりポチりそうになったりもしていましたが、冷静に考えるとマウスのクリック音が低減されるだけだというのに、16,940円というのはコスパが悪すぎですし、1つポチるとすかさず他の2拠点で使用している環境を合わせたくなる症候群が発症し、無駄だと分かっていながらもついついポチポチしてしまい、16,940円×3の総額50,820円を散財する未来が透けて見えたため、ギリギリのところで思いとどまっていたわけです。たかだかクリック音の静音化に5万円って、何をどうこじつけても償却できないでしょうよと、さすがの私にも分かりました。
しかし気になる静音化。MX Master 3から3Sへのマイナーチェンジで変わっているのは、おそらくマウスボタンに使用されているマイクロスイッチだけだと思われるので、そこだけ付け替えてやれば自分でマイナーチェンジできるのではないかという思考に。
静音化される前のモデルで使用されていたスイッチはオムロン製のD2FC-F-7Nというマイクロスイッチ。割と高級なマウスに利用されているマウス業界標準的なマイクロスイッチですな。
それに対して静音化後のモデルで使用されいてるスイッチは・・・色々と情報を探して見るものの確度の高い情報が見つかりませんでした。しかし、実装互換のあるスイッチとしてKailh Muteマイクロスイッチというものがあり、それに交換するのがナウいらしいということが分かりました。
Kailhという商標、あまり見覚えがなかったので調べたところ、Dongguan Kaihua Electronics(东莞市凯华电子)という大陸の会社でスイッチ業界的には割とメジャーな会社であらせられる模様。Amazonでも確かにいくつか出品されているのを確認できますが、そんなモノを買い求める人はわずかだからなのか、たかだか中華マイクロスイッチ数個に結構強気な値付けをしているところが多い印象。元々はタダみたいなもんでしょ?と。
ということで、餅は餅屋、大陸には大陸の通販サイトと、以前愛用していたMX Masterのホイールが劣化した際、ホンモノのニセモノのパーツを入手できたAliExpressで探したところ、あっけなく発見。そして当然のことながら適正価格。ニセモノをつかまれる大陸特有のリスクはありますが、とはいえ数百円なのでポチることはや2週間弱・・・
毎度お馴染み、安定の汚い封筒で無事に到着です。これぞ中国。
このマウスは分解時に緩める必要のあるネジの多くがソール(裏面の滑るヤツ)に隠されているため、分解時にどうやってもソールの粘着面を痛めてしまう仕様。分解後にソールがヘナヘナになり滑りが悪くなってしまうのもナンなので、ホンモノ?のソールも一緒に購入しておきました。2点の送料が合計224円だったというのに、ちゃんと日本まで届いてしまうのだから不思議なモンです。ちなみに日本国内のハンドリングは佐川急便が担っているようですが、果たして適正な運賃は支払われているんでしょうか・・・。
それはさておき、早速MX Master 3のMX Master 3S化改造に着手。さすがボタンやホイール等の操作部が三次元的にちりばめられた高機能マウス。スイッチの交換が出来るところまで分解するのには結構なステップを踏まなければなりませんが、交換対象のスイッチはさほど小さくないため交換自体の難易度はさほど高くないのかなと。
Kailh Muteマイクロスイッチ、元々実装されていたオムロンのマイクロスイッチとは形状がだいぶ異なるため、ぱっと見ではとても互換があるようには見えないわけですが、事前の調査通りスルーホールのピッチも、実装面から操作面までの高さも同一。そのため無理なくキッチリ実装でき、全く違和感なく操作ができるようになりました。そして、当然のことながらちゃんと静音化も達成されています。ひとつ言えるのは、この静音スイッチのホンモノを見たことが無いので、ホンモノなのかニセモノなのか判定できないのが歯がゆいですが、ついつい20個ほど調達しておきましたから、操作感が渋くなったら都度交換すれば良いかなとも。
とはいえ、18個をそのまま余らせておくのももったいないので、ついでに予備機として保管していたMX Masterも静音化改造を施し、こちらも特に問題無く動作させられています。話はずれますが、基板シルクは日本では同業他社が既に使用していたため使用を禁じられてしまった"Logitech"がそのまま入ってますが、見えないところであれば問題ないって事なんでしょうか。
てなわけで、5万円の無駄な出費が500円少々に抑えられたようなので、浮いたお金で何をポチ・・・いや、鍵盤沼で散々予想外に散在したところなので、当面は大人しくしておくことにしましょう。